U.S. DIVIDED


日本では、主張している政策を見る限り、改革一色で、各政党にあまり差がないようになってきています。(細かく見ると相当旧態依然である点がありますが、その辺は別論とします)
保守と革新でコップの中の嵐のような対立を繰り返していた頃は過去のものになってしまいました。(ただ、それらの時代の当事者自体はまだ結構国会内にいますが…)

ヨーロッパでも社民勢力の中道化によって、左右対立は過去のものになってしまっています。

日本やヨーロッパの動きのさきがけとなったのは、リベラルでありながら保守に近づいたクリントン政権だと思われますが、そのアメリカは今現在、アメリカ社会を二分したとんでもない対立の中にあります。

日本の報道から想像すると、対外強行で戦争をするブッシュ政権を支持する人々と、国際協調のケリー氏を支持する人々に二分されているのかと考えがちですが、それだけでは割り切れない深い対立をしているのが実情のようです。

7月19日号のTIMEがアメリカの大統領選の記事につけたタイトルは、“A NATION DIVIDED”というもので、アメリカが二分されていることをしめしました。
テロ直後に出たTIMEでは、表紙に“U.S. united”という言葉が踊り、星条旗が写っていたのにこの変わりようはどういうことでしょうか。

たぶんこの二分は、保守とリベラルではなく、持てる者と持たざるものなのだと思います。
日本でも徐々に進んできていますが、貧富の格差が拡大してきていることが背景にあり、ニューエコノミーの崩壊で、金持ちに対する逆風が吹いていることがあるのだと思います。
何度か取り上げていますが、マーサ・スチュワートに対する扱いは、怒りや憂さ晴らし的なものがあります。

そういった状況を反映してか、経済分野一つとっても、ブッシュ:自由経済、ケリー:労働者弱者保護と、かなり毛色が違ってきており、それぞれが自分の支持基盤に深く浸透していくのが顕著です。

労働者や弱者の保護はいいではないかという気がしてきますが、ケリー候補のいっていることは、企業が行う雇用の海外移転を抑制したり、スーパー301条の活用など、通商政策における単独行動主義といってもよいようなもので、本当に実施されたら、アメリカ企業や日本経済には相当な影響があるでしょう。

戦争ほど悲惨ではありませんが、経済も負ければ生活が破壊される点で戦争のようなもので、むしろ戦争のようにかっきり終わることがない分たちが悪い争いでしょう。

市民派の日本の政治家には、ケリー候補に好感を持っている人が多そうな気がしますが、仮にケリー政権になった場合、向こうは寄せられている好感など気にも留めないような事を次々行ってくるでしょうね。
日本政府は本音ではブッシュ再選を望んでいるのでしょう。

それにしても、ターゲットとしている層が異なる以上、どちらが勝利しても、世界のみならず、アメリカ国内に深刻な影響を与えそうな気がします。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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