平成20年度の新司法試験にも出た論点ですが、労基法41条2号の管理監督者に該当すると労働時間管理に関する労基法の規定が適用除外になり、時間外手当の支給がいらなくなります。深夜勤務についての規定は除外されないので深夜勤務手当ては必要です。
そこで、会社でそれぞれ色々と名づけられている職制が、管理監督者に該当するのかは、最近増えている労働事件です。
このたび、ソフト開発の東和システムで課長代理が管理監督者に該当しないと東京地裁が判断したことが明らかになりました。
ソフト開発社員3人、名ばかり管理職に認定 東京地裁(日本経済新聞2009年3月10日)
「課長代理」の肩書を管理職とみなして、残業代を支払わないのは不当として、ソフトウエア開発会社、東和システム(東京・千代田)の社員3人が残業代など計約1億700万円の支払いを求めた訴訟の判決が9日、東京地裁であった。村越啓悦裁判官は「統括的な立場になく管理職といえない」として、同社に計約4500万円の支払いを命じた。
判決理由で、村越裁判官は3人の労働実態などから管理職としての権限はなかったと指摘。「労務管理で経営者と一体的な立場にはない」とし、残業代を支払う義務のない管理職に当たらないとした。
(略)
裁判例で示された管理監督者の要件(要素?)は、
- 経営と一体であるか
- 主体的に自分の労働を決められるか
- 待遇が相応しいか
とされています。
上記の報道から行くと、1の点から管理監督者外統制が否定された模様です。