東京高裁、西武鉄道による有価証券報告書虚偽記載で個人株主が株価下落の損害賠償を求めた訴訟で賠償を減額


個人株主ルートと信託銀行ルートの二つの訴訟が係属している西武鉄道有価証券報告書虚偽記載による株価下落についての損害賠償事件ですが、個人株主について東京地裁は、画期的な判断をして賠償を認めたのですが、控訴審判決が26日にあり、東京高裁は賠償額をかなり減額しました。

*************************************************************************************************

西武株虚偽記載、個人株主への賠償減額 東京高裁(日本経済新聞2009年2月26日)

西武鉄道による有価証券報告書の虚偽記載事件で株価が下落して損失を被ったとして、個人株主約240人が損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(宗宮英俊裁判長)は26日、同社などに対して計約7800万円を支払うよう命じた。一審・東京地裁が認定した計約2億3000万円の約3分の1に賠償を減額。株主にとって厳しい判決となった。

 支払いを命じられたのは同社と堤義明・元代表のほか、プリンスホテル(旧コクドを吸収合併)など。

 一審・東京地裁は虚偽記載公表直前の株価1株1081円と売却額との差額を損害と認定していた。だが同高裁は今回の虚偽記載が粉飾決算ではなく、株主構成に関する内容だったことを重視。「財務状況や企業価値に与える影響は少なかった」と指摘し、175人の個人株主の損害額について「1株160円」と認定した。(01:12)

*************************************************************************************************

第一審判決についてのエントリー

西武鉄道有価証券報告書虚偽記載で株価下落で損害を被った一部の個人株主の賠償請求が認容される

上記リンク先のエントリーでも述べたのですが、虚偽記載は株主構成についての部分であり会社の財務などについてのものではありませんでした。東京高裁はこの点を重視した模様です。

株価の下落から算出するのではない手法を用いた模様で、かなりの減額となる結論が導かれたようです。

虚偽記載の内容が本質的なところではないのは確かなのですが、金商法判例の流れからいうとかなり画期的な第一審判決だったため、変わるかという感じで注目された風向きに水をさした感じがします。


About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)