マニュアルと化したのか


菅野先生から直接伺ったわけではないのですが、弘文堂から出ている菅野労働法に関して、この本に依拠して戦っている人があまりに多いことからそれらの人々に迷惑にならないように説をかえることはしないと仰っているそうです。

論者によっては、だからもう古いのだという言説がその後に続くらしいです。

しかし、今日においても菅野労働法が古いとは思わないのですが、あまりに卓越した業績ゆえにそこまで影響力が大きくなってしまったということは確かでしょう。

もともと労働法は企業実務で扱う要素が他の法律よりも濃厚であるために、企業の行動原理としてどうしてもここまでやれば安全であるというマニュアルがほしくなります。

そのために労働法の世界は法律以外のマニュアル類が異様に通用力を持っているのですが、そのマニュアルを求める精神構造で菅野労働法も使ってきてしまったため、他の法律書に比べて影響力が大きくなっていることは否定できないと思います。

もっとも菅野労働法も全く改説しないわけではないのですが。懲戒解雇事由が例示列挙か限定列挙かの論点で改説したことがありますね。

もっともそのときに生じた混乱に懲りて、説を改めないスタンスをとられるようになったのかもしれません。

でも菅野先生の改説は全くもってささやかです。山口刑法の第2版を呼んだときの衝撃とは比べ物にもなりません。


About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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