法制審議会、有限会社廃止の方針を固める


会社法制定へ向けて、急ピッチで検討が進んでいる日本の会社制度ですが、法制審議会は有限会社を廃止するという大胆な方針を固めたことが明らかになりました。
もっとも日経に出ていた記事なのであれですが…。記事はこちらです。

有限会社は、中小規模で行い資本を公募する必要がないような場合に用いることを意図して作られた会社形態なのですが、中小企業は、実際には「株式会社」という名前がつくことに非常にこだわり、株式非公開でかつ譲渡制限がついている株式会社が沢山あるという状態になってしまっていました。

そのため、区別自体が実態に合わないとして廃止することにしたもので、会社の規模に応じた制度設計に改めることになります。
もっとも、従来からの有限会社はそのままです。

具体的には、中小の株式会社には監査役や取締役会の設置義務を課さないなどの内容になるようです。

ただ一つ問題となりうるのは、新たな区別の基準となる会社の「規模」はどのように定めるかという点でしょう。

現在、法律上、会社の規模に言及しているのは、商法特例法上の大会社とみなし大会社についてのくだりで、資本の額が5億円以上か負債の額が200億円という区切り方がなされているのですが、これが実態にあまり即していないという批判は結構あります。
何とかうまい基準を見つけて欲しいものです。

ただ、アメリカでよく使われるlimited partnershipは、日本の有限会社に近いものもあるので、英米法国で「日本の会社法から、limited partnershipがなくなったそうだ」とかいう話が流れたら相当奇異に思われるでしょうね。

転換社債もそうだったのですが、会社法の分野ではとにかくイメージが悪いものがあり、それが制度の活用を妨げることが結構あるのですが、有限会社もその一つといえましょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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