株券電子化を前に株券を焼失した株主が株主台帳の閲覧を求めて大和ハウスを提訴へ


株券電子化で権利を失う株主が出るのではないかといわれていますが、それより前に権利保全のための提訴の動きがありました。*************************************************************************************************他人名義のままの株券を焼失、権利確認のため株主台帳閲覧求める──大和ハウス工業株主の女性が提訴へ(日本経済新聞2008年12月18日) 株券を他人名義のまま保管し焼失した大和ハウス工業の東京都板橋区の女性株主(77)が、自身が株主であると確認するために必要として同社所有の株主台帳の閲覧などを求め、19日に大阪地裁に提訴することが17日、分かった。代理人の守山孝三弁護士は「過失は焼失した原告にもあるが、同種の事例は全国で多いはず。来年1月5日の株券電子化後では権利回復が困難になる」と提訴の理由を説明している。 訴状などによると、株主は1989年に大和団地(2001年4月に大和ハウスに合併)の株式を16万株購入。01年3月に古い書類を焼却した際、誤って株券を焼いた。証券会社の書類などから16万株の購入を証明。記号・番号部分が焼け残った10万株は再発行されたが、6万株は記番号が残らず、再発行されていないという。 大和団地株は合併後は大和ハウス株と交換するため提出が必要だが、この株主は提出できなかったため、問題の6万株は同社の「未提出株券台帳」に記載されている可能性がある。名義変更していないため、会社からの通知が5年間、所在不明で返送された株主を記載する「所在不明株主台帳」にも載っている可能性があるという。 このため原告側は弁護士法に基づき、大阪弁護士会会長名で、該当する株券について照会。大和ハウスは条件の合う千株券が25万8000株分あると回答したものの、個人情報の提供に当たることを理由に台帳閲覧などは認めなかったという。*************************************************************************************************最初、株主名簿の閲覧請求かと思ってしまい、125条3項1号から株主の権利確保のための調査なので会社は拒絶できないのではないかと思ったのですが、よく見たら株券の交換時の未提出株券台帳でした。弁護士会照会をしても閲覧させてくれなかったとので提訴に踏み切ったということのようですが、会社法に株主の閲覧権が規定されていないので、別の途での請求ということになるかと思います。もっとも、会社法では5年間所在不明の株主なら競売してしまうことができますので、そうなっていたら株主としての地位は失われていることになるところですが、企業再編が絡んでいるためにこの問題にはならないわけですね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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