USEN、ライバルに対する不当な妨害があったとして独禁法違反で20億円の損害賠償を命じられる


有線放送の世界は特殊な競争環境にあることが昔から知られていますが、そのことを端的に示している裁判例が出ました。*************************************************************************************************USENに20億円の賠償命令 東京地裁、不当値引きで顧客奪う(日本経済新聞2008年12月11日)不当な営業により顧客を奪われ損害を受けたとして、有線放送大手のキャンシステム(東京・新宿)が業界トップのUSENに約113億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁の畠山稔裁判長は10日、「USENに独占禁止法違反の不公正な取引があった」と認め、約20億5000万円の賠償を命じた。USENは判決を不服として控訴する方針。 畠山裁判長は、USENが2003年7月—04年3月、キャンシステム社員の約3割にあたる496人を一斉に退職させUSENの販売代理店に採用したと認定。この引き抜きについて「転職の勧誘を超え、社会的相当性を逸脱する不公正な引き抜き行為」と指摘した。 そのうえでUSENが03—04年、引き抜いた社員を使ってキャンシステムの顧客にだけ聴取料を大幅値下げしたり、1年間の無料サービスを行ったりして約4万8000件の顧客を奪ったと認定。「『差別対価』という不公正取引による私的独占にあたり、独禁法に違反する」と判断した。(00:51)*************************************************************************************************ライバルの営業を妨害する行為というと、不法行為の可能性が思いつきますが、実際には競争法の方を優先して検討しないといけません。もっとも上記の報道によると、人材の引き抜きを伴っており、その違法性についても言及があるようです。引き抜きで不法行為が成立するかという問題は、職業選択の自由があることから、よほど程度が広くないと不法行為とは評価されません。ラクソン事件が有名です。そのような問題で上記のような指摘を受けたということは相当な態様であったことが伺われます。東京地裁の事実認定を前提とするとかなり過激なことをしたといえると思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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