シャルレ、MBOをめぐって利益相反があったとして創業家出身の社長を解職


近年、経営に混乱が見られる婦人下着販売のシャルレで、創業家を中心としたMBOで価格決定に不当に関与したとして創業家出身の社長(代表取締役)が取締役会に解職されました。シャルレのリリース*************************************************************************************************シャルレ、創業家社長を解任 MBO賛成も撤回(日本経済新聞2008年12月2日)婦人下着販売のシャルレは2日、創業家の林勝哉社長を解任し、後任に岡本雅文執行役が就任したと発表した。林前社長は取締役となる。創業家一族を中心とするMBO(経営陣が参加する買収)について、価格決定などで林社長が不当に関与していたと判断したため。同社はMBOに対し「重要な利益相反行為があった」として賛成意見を撤回した。 9月にMBOを提案した米モルガン・スタンレーグループと創業家側はシャルレが買収案に賛成しない場合、MBOの前提となるTOB(公開買い付け)に応募しない契約を結んでいた。前提条件が変わったことで、MBOが不成立となる公算がでてきた。(略)*************************************************************************************************利益相反と上記報道では言われていますが、MBOで買収する側が価格決定にも関与したことがあったとしたら、利益相反になるでしょうか。MBO自体は会社との取引ではなく、TOBを通じて行うため、個々の株主との取引ということになります。第356条(競業及び利益相反取引の制限)取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号の取引については、適用しない。取締役と会社との利益相反というよりは、株主に対する信認義務に反するということで株主との間の利益相反ということになりましょう。TOBで買い付けるだけなら価格をどう設定しようが自由ですが、株主に対する義務を負っていながら、一方で価格決定に関与して他方で賛同意見を取締役会として出すなどするのはやはり問題でしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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