同じ徹を踏まない


ペットはかわいいものですので、その死には強い悲しみを感じざるを得ないのは自然なことだと思いますが、それでも屈折した感情で報復殺人をするでしょうか。何かの飛躍がありますよね。最近いくつか例がある現代的な精神的不可解さによって生まれた殺人者というのに、並べてしまっていいものか、疑問を若干感じます。それでも、社会に動揺を与えたことだけは確かです。さて、マスコミの取り上げ方についてですが、厚生労働省ということもあり、年金テロではないかという見方を当初からしていました。本来もらえるものをもらえなくて怒りのあまり立ち上がるくらい元気なお年寄りがいるなら、振り込め詐欺なんて起きないような気がしますが、それはさておいてもテロといってしまうと犯人に自己満足を与えかねないので危険な発言だったかもしれません。さすがに、やられて当然だみたいなことはどこでも言っていなかったので、まだ良心があってよかったと思います。実は、テロに関してマスコミが喧嘩両成敗的なことを言ってしまい大変な悪影響を与えた先例が日本にはあるのです。それが原敬の暗殺に際しての新聞報道でした。原敬内閣は末期になって政友会の汚職が相次いでいたため、旧幕臣が中心となって誕生して反権力の立場が強かった当時のマスコミは、原敬の暗殺に対して、「殺される方も悪い」という態度をとりました。これがその後のテロリズム、そしてファシズムの精神的土壌を提供したという指摘があります。戦前の日本は今では信じられないくらいテロに脅かされていたのですが、そんな記憶は今ではすっかり忘れられています。しかしテロは決して、紛争地域の専売特許ではないのです。一歩間違うと将来に禍根を残す危険な瀬戸際だったのではないかというのは、杞憂ではないと思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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