東京地裁、朝鮮総連本部強制競売のための執行文付与を認めず


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整理回収機構が朝鮮総連に対する損害賠償請求訴訟に勝訴したことから朝鮮総連本部を競売しようとしたところ、総連本部の建物の登記名義が合資会社朝鮮中央会館管理会となっていたことから、執行文付与の訴えが提起されていました。
東京地裁は17日、整理回収機構の請求を棄却しました。
朝鮮総連本部の強制競売は当面実現できないことになりました。
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総連本部差し押さえ請求を棄却、「名義人は別の法人格」と(読売新聞2008年11月17日)
破綻した全国の在日朝鮮人系信用組合から不良債権を買い取り、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に対して約627億円の債権を持つ整理回収機構が、朝鮮総連中央本部(東京都千代田区)の土地建物の名義人である合資会社を相手取り、中央本部の競売に向けた土地建物の差し押さえを認めるよう求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であった。
 山崎勉裁判長は「被告は朝鮮総連とは別の法人格を持つので差し押さえは認められない」と述べ、請求を棄却した。
 同機構は今回の訴訟の提訴後、中央本部の登記名義を朝鮮総連の代表者に書き換えるよう求める訴訟を同地裁に起こしている。
(略)
 訴訟で同機構は「法人格のない朝鮮総連は不動産登記ができないから別会社が便宜上の名義人になっているだけで、実質的な所有権は朝鮮総連にある」として強制執行ができると主張した。しかし山崎裁判長は、所有権が朝鮮総連にあるとしても、名義を同管理会としたままで強制執行を認めるのは「真実の権利関係や権利の変動を反映する不動産登記制度の趣旨に反する」と判断した。
(略)
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判決全文には当たっていないのですが、報道で伝えられていることから想像すると、東京地裁は執行文付与の訴えに関する伝統的な理解に従ったものといえると思います。
法人格否認の法理が主張されていたのかは分かりませんが、仮にされていたとしても上田養豚事件からいくと執行力の拡張はできませんので、判例に従った結論といえるかと思います。
すると名義を変えれば執行を免れてしまうではないかということになりますが、上記の引用にもあるとおり、整理回収機構は別訴で登記を朝鮮総連代表者に戻すように争っている模様です。
執行分付与の訴えについても争う点はあるように思えますので、上級審の判断を仰ぐこともありそうです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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