元派遣社員が派遣契約と異なる業務に従事させられたとして派遣先に地位確認の訴え


派遣契約と異なった業務に従事させられたことを理由として、元派遣社員がパナソニック電工に地位確認の訴えを提起したことが明らかになりました。
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派遣女性「解雇は違法」とパナソニック電工を提訴(日本経済新聞2008年11月18日)
派遣契約と異なる業務に従事させられ、実態的には派遣先の会社の社員として17年余り働いた後、一方的な解雇となったのは労働者派遣法などに違反しているとして、福島県郡山市の女性(53)が17日までに、派遣先の「パナソニック電工」(大阪府門真市)への地位確認などを求め、福島地裁郡山支部に提訴した。
 訴状などによると、女性は1991年4月、電工が100%出資する派遣会社と事務用機械操作の名目で派遣契約を結んだが、派遣先となった電工では郡山市のショールームで展示品の案内に従事させられ、今年9月に合理的な理由がなく解雇された。
 女性側は、99年の労働者派遣法の改正で派遣可能職種が原則自由化されるまで、展示品の案内などは派遣職種として認められていなかった、ともして「派遣契約は無効で、電工社員とみなされるべき雇用実態だった」と主張している。
(略)
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報道されている事実にしか接していないのですが、パナソニック電工に対して社員としての地位を確認する訴訟だと思われます。
その構成としては、
派遣法改正前で本来なら派遣で出来ない業務に従事させられた

派遣では出来ないことをしていたのであるから実質的に正社員であった

正社員であるので解雇権濫用法理が適用されるところ、合理的理由がなく解雇されたので解雇無効
という筋ではないかと考えられます。
確かに派遣法は改正前は限定列挙でした。
どういう業務だったのか詳細が分からないのですが出来ないことだったということはありうる話です。しかしそこから正社員だったと主張することには若干の隔たりがあり大変かもしれません。
派遣の事由を限定するのは公法的な規制だと思われますが、そこから転じて当事者間に契約締結の意思があったということが出来るかが問題だと思います。
松下プラズマディスプレイ事件のように、思い切ってしまう裁判例があるので必ずしも認められないことはないと思いますが、今後も注視したいと思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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