iPODに私的録音録画補償金の課金は見送り 違法アップロードされた著作物のダウンロードは違法化へ


対立が解けないまま迷走している私的録音録画補償金の対象の拡大問題ですが、iPODなどのHDD搭載機器への課金は結論が先送りになりました。************************************************************************************************* 補償金問題、「iPod課金」の結論は来年度以降に–ダウンロード違法化の著作権法改正案は提出へ(毎日新聞2008年10月20日) 私的録音録画補償金制度の見直しを議論する、文化庁の文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」の第4回会合が10月20日に開催された。足掛け2年にわたって議論された、iPodなどHDD内蔵レコーダーへ補償金を課金する文化庁案は見送りとなり、結論は2009年以降に持ち越される見通しが固まった。今回の会合は、7月10日に開かれた前回の会合から約3カ月ぶりの開催。前回の会合では著作物の私的複製をめぐり、文化庁が暫定措置としてiPodやHDDレコーダーなど記録媒体を内蔵した一体型機器を補償金制度の対象とする案を提出。これに対して「DRMで私的複製は制限されており、補償金は必要ない」と主張するメーカー側と「権利者に対価の還元を行わないのはメーカーのフリーライドだ」と不満を募らせる権利者側の綱引きが続き、議論は方向性すら見出せないままに終息した。文化庁では、その後も今回の会合開催までに非公式の場において関係者間の意見の調整が図られたものの、結論には至らなかったと報告。しかし、同委員会の開催は2009年1月までとなっており、文化庁著作権課の川瀬真氏は「本委員会では結論は得られなかったものの、それはそれで報告書をまとめなければならない」と述べたうえ、文化庁案に権利者側・メーカー側の両論を併記したかたちで報告書をまとめる意向を伝え、骨子案を示した。同委員会では、私的録音録画補償金制度の見直しのほかに、著作権法第30条の範囲を見直す議論も行われた。文化庁では、この議論については「違法録画・録音物のダウンロードを違法とすることで大筋合意が得られたと認識している」とまとめ、ダウンロード規制を盛り込んだ著作権法改正案を2009年の通常国会に提出する意向を示唆した。(略) ************************************************************************************************* また、上記引用記事の後半に言及があるとおり、著作権侵害行為によって違法にアップロードされた著作物をダウンロードする行為も違法とすることで著作権法が改正されることになりました。どのような形で規定するのかは定かではありませんが、30条の私的複製の例外に加えることになるのでしょうか。第30条(私的使用のための複製) 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合 二 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合 2 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。ちなみに、一部誤解がありますが、iPODに課金をするように私的録音録画補償金を改めるのに著作権法の改正は別にいりません。私的録音録画補償金の対象は、政令で定めているためです。一方、違法アップロードされた著作物のダウンロードを違法にするのは明らかに著作権法の改正が必要です。課金見送りのほうが、社会に対する影響は大きいですが、法的な問題としてはダウンロード違法化の方が大きな問題といえると思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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