最高裁、相続権不存在確認訴訟を固有必要的共同訴訟と判断


判決内容の合一確定が要請される訴訟類型を必要的共同訴訟といいますが、そのうち共同訴訟人すべてが当事者となってはじめて訴訟追行権が認められる類型を固有必要的共同訴訟といいます。

わかりやすくいうと、権利関係が複数人にわたるものを訴訟の対象とする場合は、利害関係者がすべて参加しなくては、訴訟ができないということです。

共同所有関係がこじれてしまっているときにその物について訴訟をしなくてはいけないようなときにまさに問題となります。ようするに相続の場合が典型です。

相続と一口に言っても、問題となるのは様々な局面があり、判例では、共同相続人による遺産確認の訴えは固有必要的共同訴訟と判断していますが、共同相続人が受遺者を被告として遺言無効確認をする場合は固有必要的共同訴訟ではないとしています。
この違いは、訴えの基礎となるのが共同所有関係であるか持分権であるかという点から理解することができます。持分権に根拠があるといえるなら固有必要的共同訴訟ではないわけです。

こういう判例の蓄積がある固有必要的共同訴訟について、このたび新たな判例が出ました。この中で最高裁は、共同相続人の一人に対する相続権不存在確認訴訟は固有必要的共同訴訟であると判断しました。記事はこちら。判決はこちら

この件で問題となっているのは、共同所有者の範囲の変更ですので、訴えの対象が共同所有関係そのものです。よって判例の判断は妥当といえるでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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