最高裁、入会権確認訴訟で訴え提起に同調しない構成員を被告に加えることができる場合について判示


入会権確認訴訟は判例によって固有必要的共同訴訟とされており、構成員みんなで訴訟を提起しないと訴訟要件を満たさず却下になります。
最判昭和41年11月25日民集20巻9号1921頁

しかし、入会団体内部でも所有権の帰属に争いがある場合、所有権に関する部分の主張に一致できないことから、全員で入会権の確認訴訟できない場合があり、その場合の処理に関して最高裁で判断が示されました。

最高裁判所第一小法廷平成20年07月17日判決 平成18(受)1818 入会権確認請求事件

この事件においては、訴え提起に同調しない入会権者を被告側に加えて訴訟を提起していたのですが、原審は固有必要的共同訴訟であることを指摘して端的に却下していました。

これに対して、最高裁は、入会権の存在を主張する構成員は保護しないといけないとして、同調しない入会権者を被告に加えていることを是認しました。
上記の昭和41年判例との関係が問題となりますが、これについては、昭和41年判決は、本件のような訴訟を認めないものではないと解するのが相当としています。

入会団体内での入会権との別の問題で利害関係の対立がある場合には入会権者全員で提起しなくても当事者適格を否定されず、訴えは適法ということになるかと思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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