最高裁、パチンコ店出店でライバル店による県条例を悪用しての妨害が行われた事案で履行利益賠償を認める


パチンコや風俗店の出店では、地元住民の反対が起きることもままあり、地方自治体が出店を妨げようとすることがあります。
条例などを正面から作っておけばいいのですが、それがない場合、間に合わせで学校や児童福祉施設の近隣には設置できないなどの法律の規制を利用して、妨害を狙うことがあります。
あまりに恣意的であると、自治体が行うことでも違法とされてしまうことがあり、最高裁判例にまでなっています。
有名なのが余目町の風俗店妨害事件でしょう。この事件では、風俗店の出店予定地のそばに大急ぎで公園を作って自動福祉施設にしてしまったというものでした。
さて、似たような方法でパチンコ店の出店を、先に進出していたパチンコ店が行ったという事件があり、損害賠償請求事件となっています。
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パチンコ店開業妨害、営業利益の賠償認定 最高裁(日本経済新聞2008年7月8日)
診療所周辺にパチンコ店が出店できない県条例を悪用し出店妨害したのは違法として、茨城県のパチンコ業者がライバル業者などに約7億6000万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(藤田宙靖裁判長)は8日、ライバル業者の賠償責任を認めた。その上で原告が営業すれば得られた利益の賠償を認めなかった二審判決を破棄し、賠償額算定のため東京高裁に差し戻した。
(略)
 判決によると、原告は2000年に茨城県守谷市にパチンコ店出店を計画。これを知ったライバル業者が計画地近くの土地を購入し、その土地を医療法人に転売して診療所を開設させた。県条例は診療所の周囲100メートル以内のパチンコ店の出店を禁止していたため、出店計画は中止となった。(13:02)
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この事例では、診療所の周辺には出店できないという県の条例を悪用して、ライバル業者は出店予定地の近くの土地を購入して医療法人に転売して診療所を開設させたというもので、かなり徹底しています。
上記のような過去の判例から行けば、不法行為であることは認めうるところですので、その点に異論はないでしょう。
注目されるのは、履行利益賠償まで認めたところです。審理のために差し戻しています。
こういうことだと信頼利益賠償にとどまることが多いですが、履行利益賠償まで行くのは珍しいように思われます。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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