「名ばかり管理職」という語が一気に周知のものになるきっかけとなったのは、マクドナルドの店長が会社を訴えたことがきっかけでした。
東京地判平成20年1月28日判例タイムズ1262号221頁
正しくは管理職の問題ではなく、労基法の労働時間規制の適用除外がある管理監督者に該当するかという論点です。
さて、これを受けて、マクドナルドでは残業代支給を行うとしていましたが、一方で新しい報酬制度も導入するとしていました。
この度、残業代の支給は予定通り行うものの、新しい報酬制度は延期されることが公表されました。
*************************************************************************************************
マクドナルドが新報酬制度の導入延期、対象店長らが「不安」(読売新聞2008年6月24日)
日本マクドナルド(東京)は、店長を残業の支給対象ではない管理職扱いする「名ばかり管理職」の問題を受けて、8月から導入する予定だった新しい報酬制度の実施を延期することを決めた。
新制度の対象となる直営店舗の店長から不安の声が相次いだのが延期の理由で、制度そのものを再検討する。残業代は予定通り8月から支給される。
新制度は店長約2000人の残業代に充てるため、店長手当などの「職務給」を廃止するもので、同社が5月に発表した。しかし、社内の説明会などで店長から、「評価を気にして、きちんと残業時間を報告できない」などと反対する声が上がっていたという。
(略)
*************************************************************************************************
上記報道によりますと、残業代支給の一方で、賃金総額は変わらないように部分的には手当ての廃止などの内容だったようです。
それでは反対する声が上がるのも納得できるところです。