日本ではJパワーをめぐって注目を浴びているイギリスの投資ファンド・ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)ですが、アメリカでも積極的な投資活動を行っており、日本での例と同じく、問題となっていることが明らかになりました。
TCIはアメリカで鉄道大手CSXに投資を行っており、株主総会に取締役選任をめぐり株主提案を行っています。
その総会期日は近づいているのですが、CSXが、TCIを証券取引法違反で訴え、連邦地裁がCSXの求めた議決権行使の差止めは認めなかったものの、証券法違反であることは認めた判断をして注目を集めています。
問題となったのは、日本でいうところの大量保有報告書の5%ルールです。
アメリカの法律では証券法13条d項に規定されているものです。
TCIは、議決権を自ら保有している分は4.4%に過ぎないのですが、他のファンドと示し合わせていることやスワップ取引で議決権を調達してきているため、実質的には5%を超えているのに開示をしていないとしてCSXが訴えたのをニューヨーク州南部地区連邦地裁は、証券法違反自体は認める判断をしました。
控訴されており、第2巡回区連邦控訴裁判所に移っているので現在進行中の問題です。
議決権をデリバティブで調達した場合にも5%ルールの適用があるとした判断であるとして、ファンドなどの間では波紋が広がっているようです。