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東京地裁、原弘産申立ての日本ハウズイングの株主名簿閲覧謄写仮処分申立を却下の続報です。
原弘産による即時抗告に対して、東京高裁は原決定を取消し、閲覧謄写を認めました。
原弘産によるリリース(決定全文のコピーも添付されています)
最大の争点である会社法125条2項3号についてですが、趣旨目的から考慮するとして、1号2号とあわせて解釈して、株式会社に犠牲を強いて閲覧謄写を請求してる者が自らの利益を図ろうとしている場合の拒否を定めているとして、そのことの立証を閲覧謄写を求められた株式会社側で立証することは容易ではないとして、立証責任を転換したものとした規定だとしました。
そこで、委任状勧誘のためであることから、拒否できる場合ではないとしました。
批判が集まっている規定に関してかなり思い切った解釈をして、問題点を解消しようとしたものといえます。
文言上は立証責任を転換している規定には見えませんが、これは判例による法創造ということになりましょう。
これを受けて、日本ハウズイングは原弘産に閲覧謄写をさせたとのことで、最高裁まで争いが持ち込まれることはなくなりました。
よって、この決定で示された125条2項3号に関する解釈についての最高裁の見解を聞く機会はとりあえずはないことになりました。