東京高裁、ヤクルトデリバティブ損失事件で元副社長に67億円の賠償命令


大和銀行事件と並んで内部統制体制に関する事件として有名であるヤクルトデリバティブ巨額損失事件の控訴審判決が5月21日に東京高裁でありました。

これは株主がヤクルト本社の行った余裕資金でデリバティブ取引で533億円という巨額の損失を生じさせたことについて当時の経営陣の責任を追及した株主代表訴訟です。

結論としては、資金運用責任者であった元副社長に対する請求だけ認容した一審判決を支持しており、その他の被告である取締役に対する請求は認められませんでした。

よってこの判決で注目すべきは、個人に67億円の賠償を命じたことよりも、それ以外の取締役の責任を認めなかったという点でしょう。

これは第一審判決にも批判があったところですが、この事件では内部統制システム・内部管理体制は一応存在しており、その過程を重視するあまり、個々の取引で本当にしっかりやったのか、他の取締役はちゃんと監視をしたのかがお留守になっているきらいがあります。

控訴審判決全文にはまだ当たっていませんが、もし一審判決の判断を理由も含めて踏襲しているのだとすると、問題があるといえるでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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