アメリカで株主が経営者の報酬に関して投票できる制度の導入が相次ぐ


アメリカ企業で経営者が高額報酬を受け取っていることは有名ですが、これに対する批判も年来激しくなっています。
そのような中で、株主が経営者の報酬に関して投票を行うことができる制度を導入される傾向が出てきています。

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経営報酬監視へ株主投票制度、米ベライゾンなど導入(日本経済新聞2008年5月15日)

【ニューヨーク=武類雅典】経営者の高額報酬への批判に対応し、米大手企業が報酬の賛否を問う株主投票制度を相次いで導入する。通信大手のベライゾン・コミュニケーションズが2009年の株主総会から採用。アップルでも制度導入を求める株主提案が承認された。米景気が減速するなか、経営陣の報酬は高止まり傾向にあり、株主による監視が厳しくなりそうだ。

ベライゾンなどが導入するのは株主の「アドバイザリーボート(勧告投票)」。投票結果に拘束力はないが、取締役会が主導する報酬決定に株主の評価を反映する材料になる可能性がある。(10:51)
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導入されているのは、あくまで株主の意見表明に過ぎず、拘束力は全くありません。
日本の会社法でいうところの委員会設置会社がアメリカの株式会社のガバナンス形態ですので、経営者の報酬は取締役ならなる報酬委員会が決めることになりますが、その際の参考にしてもらおうということにはなると思われます。

もっとも、報酬委員会は自由裁量で決められるわけではなく、経営者との契約があったり、算定方法とかがあるのが多いでしょうから、株主の意向が険しいからといって適当に減らせることにもならないと思われます。

日本での問題状況は異なりまして、取締役の報酬は株主総会の決議事項ですが、総額を定めるにとどまっており、具体的に誰がいくらもらうかは取締役会で決めています。
よってこの点についてが問題とされています。
日本企業の経営者である取締役報酬はアメリカのそれほど高くはありませんが、不透明であるという批判は若干あり、個別開示を求める株主提案がちらほらでているような状況です。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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