家族によるクレジットカードのネットでの無断使用でカード会社の請求を棄却


息子が父親のカード情報を利用してネット上でクレジットカード利用をして、カード会社がカード所有者の父親に請求をしたところ、棄却されるという判決が長崎地裁佐世保支部でありました。
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無断使用カードのネット決済、支払い請求棄却…長崎地裁(読売新聞2008年5月2日)
長崎県佐世保市の会社員男性(58)のクレジットカードを、長男(当時19歳)が無断使用してインターネットで決済した代金を巡り、カード会社「クレディセゾン」(東京)が男性に約300万円の支払いを求めた訴訟の判決が、長崎地裁佐世保支部であった。
 竹村昭彦裁判官は「ネット上の決済システムで、カード会社側が可能な限り第三者の不正使用を排除する利用方法を構築しているとは言い難く、男性に重大な過失はない」として同社の請求を棄却した。判決は4月24日。
 判決によると、男性は2005年2月、閲覧した記憶がないサイトの利用料約300万円を同社から請求された。その後、男性の就寝中に長男がカード番号や有効期限などカード表面にある情報をメモし、サイトの決済画面に入力し手続きしていたことがわかった。
 同社側は「会員規約では家族や第三者が不正使用した場合も会員に支払い責任がある」と主張。男性側は「暗証番号など本人確認情報の入力が不要な決済方法があることを事前に知らされておらず、適切なカード管理は困難」としていた。
 竹村裁判官は判決で「ネット上で入力するカード番号などの情報はカードの表面に記され、不特定の人が見ることができる。カード会社側は、暗証番号など本人確認に適した追加情報の入力など、不正使用を排除する利用方法を構築すべき」と指摘した。
(略)
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約款で家族の不正使用の場合は責任を負いますとなっているので、本来なら当然請求が認められるところですが、ネット上ではカードそのものはなくても、カード面記載の情報だけで利用できてしまうところが多いため、重過失がないという判断がなされた模様です。
ネット上のカード利用の特性によっているところが大きい判断ですが、大半のネット利用はカード番号と名前と有効期限だけで利用できてしまうので、これは大変な影響がありうる判断と思います。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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