ホンダの中国合弁事業をめぐり、ホンダと合弁会社間の取引をめぐり、受け取った価格が割安で所得を移転していると東京国税局に指摘されたことが明らかになりました。
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ホンダ、所得1400億円海外移転・東京国税が申告漏れを指摘(日本経済新聞2008年4月26日)
ホンダが、中国の合弁会社との取引に絡み税務調査を受け、2006年3月期までの2年間で総額約1400億円の申告漏れを東京国税局から指摘されたことが25日、分かった。海外へ所得を移し国内の所得を圧縮することを防ぐ移転価格税制を適用されたもようだ。課税処分の決定はなされていないが、移転価格税制を巡る申告漏れの指摘額としては過去最大。
(略)
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これはいわゆる移転価格の問題です。
国境をまたいだ親子会社間取引で通常の取引とは異なる価格で取引を行うと利益の付け替えができてしまうことから、一般的に規制がされています。
しかし、ことはそれだけですむほど単純ではありません。
本件では、中国事業は必ず合弁で行わなければならず、中国側の出資者の意向から現地法人から安くするようにとの要求があることが背景にあるとされています。
一方で、海外子会社に対する技術指導などが無償で行われているような例も資源関連の企業で目立っており、取引ではなく株主としての行為であると反論がされたりすることもあるようです。
この分野の租税紛争は非常に目立つようで、その一端といえるのではないでしょうか。