ドイツテレコム株主1万6000人が株価低迷で同社を提訴 ドイツ史上異例の大規模訴訟に


ドイツテレコムの民営化で誕生した株主が、同社の株価低迷で損害を被ったとして、同社に対して損害賠償請求訴訟を提起しまして、審理がはじまりました。
原告の数は1万6000人でドイツ史上異例の大規模な訴訟と指摘されています。
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ドイツテレコム株主訴訟、1万6000人「株低迷で損害」(日本経済新聞2008年4月10日)
欧州通信大手ドイツテレコムの民営化に伴い、一般株主が「株式購入後の株価低迷で損害を被った」として同社に賠償を求めた訴訟が7日、フランクフルトの裁判所で始まった。約1万6000人の一般株主が企業を訴えるというドイツ史上で異例の大規模な民事訴訟となる。
(略)
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株価低迷で経営者を訴えるならともかく、会社を訴えたりしたらかえって株価が下がってしまいそうです。
やはり注目すべきは、経営者を訴える株主代表訴訟ではないという点です。
日経新聞本紙面の記事では、ドイツでは株主代表訴訟はほとんどないという言及があったのですが、事象としては確かにその通りなのですが、正確に言うとドイツには代表訴訟制度がないのです。
裁判所の許可を得て株主が提訴するというものはあるので、これの利用が少ないという趣旨の言及だと思います。
日本法にも採用されている代表訴訟制度は英米法のもので、大陸法では伝統的に提訴請求制度を採用しています。これは会社に提訴を請求するもので、株主自身が提訴するものではありません。日本でもかつてはこれを採用していました。
ドイツは伝統的な法制を改めて直接提訴できる方向へ変化しているわけですが、実際の利用状況が分かる一件ではないかと思います。
代表訴訟に該当する制度の利用が欧州では一般的に低調なのですが、その理由は色々と指摘されています。
その一つに弁護士費用の敗訴者負担制度が関係しているという指摘があります。
勝訴しても会社に入るだけなのに弁護士費用負担のリスクを負ってはたまりませんから、本件のように自らの損害の賠償を請求するという形になるのは考えられることです。




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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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