日本では親子会社がそれって上場していることが結構あります。
親子上場とここでは呼称しますが、上場子会社の問題と呼ばれることもあります。
親子上場の特徴としては、親会社が経営権を掌握できる分の株式は保持したままで、一部のみを放出するような形になります。
NTTとNTTドコモなどが有名な例ですが、政府持株が多く規制のある業界でなくても親子上場は上場によって衆目が集まるのでチャンスが広がることや資金調達の目的やなどから、よく行われています。
こういう上場を認めると、流動化した分を取得した一般株主は必ず少数株主ですから、経営権を握れるわけでもなく閉じ込められてしまうといわれています。
当該子会社が親会社の利益と株主の利益との間で利益相反に陥りやすくなることも批判の対象です。
もし親会社が非公開会社だったら怪しさは絶大です。
このような批判のため、海外では親子上場は禁止されている例が多くなっています。
このため日本の親子上場は非常に海外から批判にさらされているのですが、このたびそのような上場子会社であるNECエレクトロニクスの大株主である米大手ファンドのペリー・キャピタルが、親会社であるNECの株式を取得したことが明らかになりました。
NECの総会の場で親子上場について議論するために出席権を得る意味での取得とされており、注目を集めています。
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米ペリー、NEC株も取得・親子上場問題、総会で議論か(日本経済新聞2008年3月27日)
NECエレクトロニクスの約6%の株式を保有する米大手投資ファンド、ペリー・キャピタルがNECエレの親会社であるNECの株を取得したことが26日、明らかになった。ペリーはNECが65%の株式を保有したままNECエレの株を公開する「親子上場」をかねて批判しており、6月に予定されるNECの株主総会で経営陣と直接議論を交わす狙いとみられる。
ペリーの関係者によると、NEC株の取得は総会出席が目的で、大量の買い付けは考えていないもよう。
(略)
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日本も親子上場を無前提に許容しているわけではなく、東証が規制に乗り出していますが、結合企業法制がないため、内部統制等で限界があるのが現状と指摘されています。