三越、共同株式移転による持株会社設立に際して金庫株が親会社株式となるため消却と報道される でお伝えしたことと関連しますが、最近、上場企業で自社株式消却が相次いでいることが本日付の日経朝刊で報道されました。
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上場企業の自社株消却、過去最高に・07年度(日本経済新聞2008年3月23日)
上場企業が株主配分強化のため、保有する自社株(金庫株)の消却を積極化している。2007年度は株数で過去最高を更新、初めて10億株の大台を突破する見通しだ。金庫株の消却は発行済み株式を減らし、自社株の再放出によって1株当たり利益が減る恐れをなくすため、市場から好感されることが多い。株式相場の低迷も企業に自社株消却を迫っている。
(略)
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会社法では株式消却は自己株式に対してするものですので、その前段階として自己株式取得が盛んということになりますが、その処分の仕方として募集株式の発行の方ではなく消却してしまう方が好感されるということです。
募集株式発行は場合によっては既存株主の持分的地位を害することがありますしよほど極端でないと司法も介入しませんので、その恐れから解放される既存株主から好感されるのは当たり前ですが、それだけではなく市場全体からも好感されると言及されています。