三越、共同株式移転による持株会社設立に際して金庫株が親会社株式となるため消却と報道される


大手百貨店伊勢丹と三越が来る4月1日に共同株式移転で持株会社三越伊勢丹ホールディングスを設立します。
すると、現在の両社は持株会社の完全子会社となり、両社の株式は持株会社の株式が割り当てられることになります。
三越は自己株式をかなり保有しており、これに持株会社の株式が割り当てられると、子会社による親会社株式の保有になります。
会社法は135条1項で親会社株式の取得を原則禁止にしていますが、2項で例外を設けており、3項でその場合でも相当な時期に処分することを求めています。
第135条(親会社株式の取得の禁止)
子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合
二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合
三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合
3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。
会社法施行規則
第23条(子会社による親会社株式の取得)
法第百三十五条第二項第五号に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
三 株式移転(法以外の法令に基づく株式移転に相当する行為を含む。)に際してその有する自己の株式と引換えに親会社株式の割当てを受ける場合
株式移転によって親会社株式を取得してしまう場合は、135条2項5号より規則23条3号に該当しますので、保有自体は認められます。
よって相当な時期に処分する必要がありますが、かなりの量になるため、希釈化を懸念して消却することになったと本日付の日経朝刊で報道がされました。
三越はまだ決定した事実はないとリリースしています。
消却とは、会社法で自己株式に対してするものに概念が改められましたので、持株会社設立前に三越が消却してしまうか、設立後に会社法155条3号に従って持株会社が取得してから消却することになります。この場合、163条があるので手続は少し異なって規律されています。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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