金融庁、テラメントに大量保有報告書の訂正命令


有名で時価総額も巨大な複数の日本企業の大量保有報告書を提出したテラメントなる会社が騒ぎになりましたが、この提出は虚偽であるとして、金融庁が訂正命令の行政処分を行いました。
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金融庁、株保有報告で初の訂正命令・川崎市の会社を虚偽認定(日本経済新聞2008年1月28日)
 金融庁は27日、NTTなど6社の株式の大量保有報告書を提出していた川崎市の企業、テラメントに対して訂正命令を出した。実際には株を取得していない虚偽報告と認定した。25日の報告書提出から2日後という異例の早さで行政処分を発動。週明けの取引混乱懸念を払拭(ふっしょく)する。ただ誰でも閲覧できる電子開示システムに簡単に虚偽情報を掲載できる問題は未解決のまま。金融庁は今後改善策を検討する。
 金融庁は27日午前、テラメントの責任者に対し、金融商品取引法に基づいて株式保有の実態などを聞く聴聞手続きを実施。その結果、「(株式売買に必要な)証券口座を持っていない」との供述を得たほか、十分な資金を保有していないことが判明。株式保有総額が約20兆円に上る大量保有報告書の内容は虚偽と結論づけた。
 テラメントが自発的に訂正する意志がないことから27日午後、28日までに訂正報告書の提出を命じた。仮に訂正命令に応じない場合は刑事告発などさらに厳しい処分を検討する。
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金融庁はEDINETのトップ画面にリリースを出しています。
そのうち消されてしまうかもしれませんので、以下に転記しておきます。
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平成20年1月27日
金融庁
テラメント株式会社に対する大量保有報告書の訂正命令について
 本日、関東財務局が、大量保有報告書の提出者であるテラメント株式会社(川崎市麻生区)に対して、金融商品取引法第27条の29第1項において準用する同法第10条第1項の規定に基づき、同社が平成20年1月25日に関東財務局に提出した以下の発行会社に係る大量保有報告書の訂正報告書の提出を命ずる行政処分を行いました。
1. 提出者
テラメント㈱(川崎市麻生区)
2.発行会社
アステラス製薬㈱
ソニー㈱
三菱重工業㈱
トヨタ自動車㈱
㈱フジテレビジョン
日本電信電話㈱
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関 東 財 務 局
平成20年1月27日
テラメント株式会社に対する大量保有報告書の訂正命令について
 本日、下記のとおり同社に対して金融商品取引法第27条の29第1項において準用する同法第10条第1項の規定に基づき、大量保有報告書の訂正報告書の提出を命じた。
 記
 
    (1)訂正報告書の提出命令の理由
 平成20年1月25日にテラメント株式会社から提出されたアステラス製薬株式会社株券に係る大量保有報告書、ソニー株式会社株券に係る大量保有報告書、三菱重工業株式会社株券に係る大量保有報告書、トヨタ自動車株式会社株券にかかる大量保有報告書、株式会社フジテレビジョン株券に係る大量保有報告書及び日本電信電話株式会社株券に係る大量保有報告書(以下「6件の大量保有報告書」という。)には、各報告書に記載された内容の株券の取得の事実がないにもかかわらず、提出者の株券等保有割合が51%と記載されていた。
 上記記載は、金融商品取引法第27条の29第1項において準用する同法第10条第1項の「重要な事項について虚偽の記載」に該当する。
(2)訂正報告書の提出命令の内容
 上記6件の大量保有報告書について、各報告書に記載された内容の株券の取得の事実がない旨の記載及び当該事実に関連して必要となる各記載項目の訂正をした訂正報告書を平成20年1月28日(月)までに提出すること。
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もともと政府保有分が多く流動性に限度があるNTTが入っている時点で怪しかったのですが、やはり虚偽だったようです。
提出した内容がそのまま公開されることに関して批判というか懸念が示されていますが、チェックなどしていたら時間がかかって適時開示になりませんから、それはそれで大変なことになります。
大量保有報告書は、発行会社にとっては突然大株主が出現した場合に、それを知る重要な手段ですので、時間がやたらとかかると大変なことになります。
そこは厳正な罰則で対処するしかないのだろうと思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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