公判前整理手続導入で保釈率上昇


裁判員制度が導入されると裁判員が参加する事件では、必ず公判前整理手続という手続が行われて主張や証拠の整理があらかじめ行われます。
この公判前整理手続は裁判員の参加しない事件でも採用することはできまして、すでに実施されています。
公判前整理手続にあたり、弁護人が主張を整理するために被告人と打ち合わせを綿密にすることが必要であるという指摘がなされており、保釈の運用が改められることは不可避であるという指摘もあるくらいなのですが、現実に保釈率が上昇していることが明らかになりました。
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保釈率、15%台に上昇・公判前手続きが契機(日本経済新聞2007年12月31日)
刑事事件で起訴された被告の保釈が認められるケースが増加に転じ始めた。最高裁によると、保釈率は2003年に12%台と過去最低になったが06年は15%台に回復。07年はさらに高まる見通しだ。裁判員制度に向け、05年にスタートした「公判前整理手続き」のため被告の保釈の必要性が高まっていることなどが背景とみられる。
 刑事訴訟法は、弁護側から保釈請求があれば、(1)死刑や無期懲役などの可能性がある重い罪で起訴されている(2)証拠隠滅の恐れがある――など例外的なケースを除き、裁判所は保釈を許可しなければならないと規定している。(31日 07:02)
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実際には、公判前整理手続を実際に行うにあたっての考慮と裁判員制度導入を控えて、保釈の運用が変わってきているのの両方があるのだと思われます。
司法統計はバイアスがかかっていますし、起訴便宜主義のある日本ではさらにかかっていますので、数値上あがったといってもあまり意味がないのですが、変化が起きつつあることは事実ではないかと思います。
保釈率が非常に低いのは、人質司法と呼ばれ、虚偽自白を生む温床となっているという指摘が昔からあります。
その真偽のほどはわかりませんが、保釈が認められにくいのは確かです。
ただ、被告人側の刑事司法の担い手の方にも問題なしとはしませんので、裁判所や検察官ばかりを批判することもできないと思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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