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焼肉チェーン「牛角」を運営するレックスホールディングスのMBOで、公開買付に応じなかった株主から会社法172条1項の価格決定の申立てが提起されていましたが、東京地裁は19日、一株あたりの価格を23万円とする決定をしました。
この価格は、レックスが行ったTOBの価格と同一であり、レックスの価格設定を妥当としたことになります。
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レックスのMBO、買い取り価格は1株23万円・東京地裁(日本経済新聞2007年12月19日)
焼き肉店「牛角」などのレックス・ホールディングスのMBO(経営陣が参加する買収)を巡り、東京地裁(難波孝一裁判長)は19日、株主側からの買い取り価格決定の申し立てに対し、1株23万円とする決定を出した。レックスが提示したTOB(株式公開買い付け)価格を妥当とした。昨春施行の会社法に基づく裁判所による価格決定は初めてという。
「50万円を下回らない」などと主張していた株主側は即時抗告する方針。訴えていたのは個人株主計121人と法人株主1社。
(略)
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さて、この件は、そもそも公開買付価格決定の前に業績の下方修正を行っており、株価が下がってしまったという事情がありました。
この点を少数株主側が不服としたのですが、この点について東京地裁はレックスの主張を採用、TOB価格を一定の合理性があるとしました。
わざとかどうかなどは分からないのでこの点はさておくとしても、本件を通じて、この少数株主に経済的填補を行う代わりに、退出を求めるという会社法の一般的な制度設計が画餅に帰しかねない事態がありうることが指摘されました。
それは鑑定費用の問題です。
詳しくは以下のエントリーをご覧ください。
全部取得条項付種類株式の取得価格決定申立てで鑑定費用の問題が浮上(2007/09/17)
株主側は決定を不服としており、抗告するとしています。