NHKのプロジェクトXで取り上げられた話の中で、日本語ワープロ開発の話がありました。
この話の中で、開発までの山場はいくつもありましたが、その一つに、漢字変換技術を生み出すまでが一つのポイントになっていました。
同音異義語の多い日本語では候補が沢山ありすぎるので、入力を終わってから変換しようとすると処理しきれず、しかみ意味不明になるという問題があったのを、画期的な発想の転換をして実用性のあるものにしたのですが、この技術を開発した東芝の元社員が、特許を会社に譲渡した対価の支払を求めて東芝を提訴したことが明らかになりました。
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ワープロ技術、元社員が東芝提訴へ・特許対価2億6000万円求める(日本経済新聞2007年12月7日)
日本語ワープロで使われる「仮名漢字変換方式」などの技術を発明した東芝の元社員が特許譲渡の対価として、同社に約2億6000万円の支払いを求めて東京地裁に提訴することが7日、分かった。元社員は1970年代に技術を発明し、現在も日本語ワープロソフトの基礎として広く使われているという。
提訴するのは東芝の元社員、天野真家・湘南工科大学教授(59)。(07日 16:02)
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天野氏のウェブサイト
特許自体はすでに20年が経過しており、権利は消滅しています。
今回の請求にかかるのは、民事での請求権が残っている最後の96・97年度の分だそうです。
これも職務発明の対価請求の事例と位置づけられるかと思われます。