11月26日の日経朝刊の法務面に、先日のキヤノン勝訴に終わったインクカートリッジリサイクル訴訟のまとめ記事が掲載されました。
特許権者側、リサイクルメーカー側、研究者など様々な立場からの見解が示され、特に前二者は自分に有利な解釈(特許侵害となる範囲を広げた・狭めた)を示していて、見方が割れているというような見解の記事でした。
最高裁の見解は、伝統的な特許法の考え方に忠実なものなので、それほど広げたとか狭めたとかいうことはないと個人的には思います。
むしろ知財高裁の判決がやや突出しており、それを最高裁が否定したことになるので、知財高裁の面目がつぶれたのではないかという見解も示されていました。
これは事情を結構知っている方なのかなと思いますが、知財高裁の判決は知財専門家の裁判官である三村判事の持論が書いてあるので、それを最高裁がかわして伝統的な議論をとったのはある意味当然といえば当然です。
しかし、実質的には結論はまず一緒になると思いますし、最高裁は全く否定したのではなく、より精錬させた理由付けにしたのだと弁護士の先生が仰っていたので、それほどかどの立つ話でもないのが事実ではないでしょうか。