この週末は寒くて困りました。
人一倍寒さに弱いので、困った時期がやってきたようです。
キヤノンのリサイクルインク事件で、最高裁では法律審なので争点になっていませんが、第一審や原審では、リサイクルは政策的に望ましいので認められるべきという争点がありました。
これを第一審被告であるリサイクルアシストが主張していたのですが、これに対してキヤノンは、この件でのインクカートリッジリサイクルの方法はかえって環境汚染であるという主張をしていました。
原審の知財高裁では、キヤノン側の主張が通っていたと思います。
さすがにリサイクルアシスト側の主張の仕方が悪かったのかなあとはじめ読んだときは思ったのですが、その後別の環境問題に関する論文を読んでいて、現在世にあるリサイクルのかなりはかえって環境に負荷をかけていることがわかり、もしかしたら裁判所の認定は正しいのではないかとも思うようになりました。
かえって負荷になるのは、リサイクルに際して不純物の除去などにエネルギーを要して、新品を作った方が二酸化炭素排出量を抑えられるなどということなのです。
この事件では、回収したインクカートリッジに穴を開けて中を洗浄して、その後インクを詰めてあけた穴を埋め戻すため、結構な汚染が生じているとキヤノンは主張していました。
事実、リサイクルは中国で行われており、環境に対する配慮がなされているかは疑問なしとはしません。
資源としては無駄でも総合的な環境への負荷から考えると別論という例なのかもしれないと思っています。
そう考えるとリサイクルインクと呼ぶのは、ハイサウンディングであるという点で予断を生むからまずいかもしれませんね。