東京地裁、年金減額をめぐりNTTが厚生労働省を訴えた処分取消訴訟で請求を棄却


[関連したBlog]

NTTが企業年金の給付引下げをするために退職者多数の同意を取り付けたものの、厚生労働省が経営悪化が認められないとして認めなかったため、処分取消を求めた行政訴訟の判決が東京地裁でありました。

東京地裁は、国側の主張を認めて、請求を棄却する判決を言い渡しました。

ちなみにこの訴訟では、減額に不服な退職者が国側で補助参加しており、さながら労働事件と化してしまっています。

*************************************************************************************************
NTTの年金給付削減認めず・東京地裁判決(日本経済新聞2007年10月19日)

NTTとグループ会社計68社が退職者の年金給付削減を認めなかった厚生労働省の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁(定塚誠裁判長)は19日、「減額しなければならないほど経営は悪化していない」との国の主張を認め、原告側の請求を退けた。

 定塚裁判長は判決理由で、年金の給付削減を行う際の条件として「母体企業の経営悪化で、企業年金を廃止するという事態を避けるため、次善の策として『減額がやむを得ない』という場合に認められる」とした。

 そのうえで、NTT東日本と西日本の両社が、厚労省の処分直前の2002年度から04年度にかけ、約1000億円の当期利益を継続的に計上していたことを挙げ、「減額がやむを得ないほどの経営状況の悪化はなかった」とした。
*************************************************************************************************

現在のところ、まだ企業年金の減額は行われておらず、分割でなく一括でもらうことが可能であるため、受給している退職者が給付削減のおそれがあるわけではないと思われ、あくまで今後の支給の問題です。

どこの企業年金でも同じだと思われますが、受給するまでの据え置き期間の利回りが非常に高いままに固定されており、市場の金利と著しい乖離があるため苦しくなっているようです。

大変な負担につながる問題ですので、NTTは控訴する意向とされています。

【補訂】
10月20日 記述を追加しました

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)