日米欧、特許審査基準統一へ


特許の世界的三極である、日米欧は、それぞればらばらの特許の審査基準を、一部について、2006年の統一を目指すことになりました。記事はこちら

統一の対象となるのは、
・発表から出願までの猶予期間
(日本では、学術的なものを除き、公表してしまうと公知となってしまい、特許の対象ではなくなってしまいます)
・先行技術の範囲
です。

日米欧の特許法制の最大の相違は、日欧は、先願主義(先の登録したほうの特許になるということ)を採っているのに対して、アメリカは先発明主義(先に発明したほうの特許になること)を採っている点です。

発明の実質を考えると、先の発明した人の努力がたたえられるべきというアメリカの先発明主義が合理的に見えます。しかし、先に発明したことを立証せねばならず、それには弁護士の力を借りて法律的に証明をしなければなりません。実はこれはウォール街の法律家の仕事を守るための規定で、世界的に見ても極めて稀有な立法例です。

この点の違いが統一する際の最大の妨げだったのですが、今回の案では、発表から出願までの猶予期間を統一することで、事実上、先発明主義でも受け入れられる内容にすることで何とか調整を図ることになりました。
アメリカの先発明主義も、1年以内とされているために、猶予期間さえ統一してしまえば、アメリカにとってもたいした実務変更をすることを避けられるからです。

ただ、これはあくまで審査基準の統一であり、一国で取得した特許が、日米欧で共通に効力を持つというものではありません。国境を越えた特許共通化は別に検討されています。ただ、特許の効力は、国の主権とも関係するために、この改正よりは困難な問題をはらんでいるといえます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)