旧カネボウ株式の取得価格決定申立てで鑑定結果が明らかに


全部取得条項付種類株式の取得価格決定申立てで鑑定費用の問題が浮上(2007/09/17)で裁判所に対して申し立てる価格決定の申立て(会社法172条1項)についての問題について取り上げました。

問題点というのは裁判所が決めるにしても専門的なことであるため鑑定を行うことになる傾向があり、するとその費用が当事者の負担になるため、申し立てている株主側にいくらかでも負担が来ると、決定される価格と従前の価格との差が小さいと元が取れないおそれがあるというものです。
詳しいことは、上記リンク先のエントリーをご覧ください。

さて上記リンク先エントリー中でも言及しました、旧カネボウ株式の取得価格決定申立てについて鑑定の結果が出た模様で、本日の日経朝刊に記事が載りました。
ネット版では記事を見つけることができなかったので、引用はしませんが、以下のような内容と伝えられています。

ファンド連合は公開買付と同じく162円を主張
株主側700~1800円を主張

しているのに対して
鑑定人は323円を提示したとされています。

かなり取得側の提示価格に近くなっています。

この鑑定には5000万円かかったと報道されており、この費用負担をどうするかによっては、株主側にとっては厳しいことになる可能性があります。

これまた報道では、乖離の大きい方の負担を大きくすることを検討しておるとされており、その通りになるとするともとが取れないことになるかもしれません。

一般論として、買い叩きのような取得の場合と、株主側が濫用的に申し立てる場合のどちらもありえますので、乖離の大きい方に負担させるというのは、抑止効果を考えて妥当なところであるように思えますが、申立てを過度に抑制するようだとかえって買い叩きを促進しますので難しいところです。
訴訟費用の問題なので全額会社負担とすることもできますので実例が積み重なって、予見可能性があるようにならないと、理想的な活用は難しいかもしれません。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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