逆風のタンタン


福音館書店から出ている絵本のシリーズに「タンタンの冒険旅行」というのがあり、どういう経緯で買い始めたのかは覚えていないのですが、とにかく全巻持っています。

単純にいうと世界を舞台にした冒険物の絵本なのですが、いかんせんかなり古い作品のためか、偏見があるとのことで問題になっているそうです。

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タンタン騒動、各国で広がる=人種差別と訴訟も(時事通信2007年8月27日)

【ブリュッセル26日時事】世界中で親しまれているベルギーの漫画「タンタンの冒険」シリーズの1作をめぐり、植民地主義的で人種差別的な表現が目立ち、動物虐待も目に余るとして、各国でボイコットや訴訟など抗議の動きが広がっている。
 問題の1作は、1930~31年に発表された第2巻「タンタンのコンゴ探検」。主人公の少年記者タンタンが愛犬を連れて当時のベルギー領コンゴ(現コンゴ民主共和国)に出掛け、さまざまな危機を切り抜けて冒険する筋立て。
 作者エルジェ(1907~83年)の視点には当時の植民地に対する偏見に満ちた見方が色濃く反映されており、現地住民を怠け者で劣った人種として描いている。また、野生動物を虐待したり殺したりする場面も多い。
 これに抗議して英国の人種差別反対を掲げる団体が今年7月、書店に販売方法の見直しを要請。米書籍販売大手ボーダーズは、米国と英国のチェーン店で同書を児童書コーナーから大人向けコーナーに移すなどの対応を取った。
(略)
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さて問題となっている描写ですが、日本を悪者にした話もあります。
「青い蓮」というのがそれで、舞台は中国で第二次大戦前夜の大陸進出中の陸軍軍人を悪く描いています。
これは実際の事実に依拠している部分があるので、別に差別だ何だという話ではないと思いますが、日本人がめがねで出っ歯に描かれるなど当時のステレオタイプをそのまま体現しています。

一方、作者は自由主義かつ保守的な思想を有していたため、当時新興の機運に燃えてヨーロッパの多くの知識人の共感を集めていたソビエトを非常に悪く描くなどもしています。

要するに偏っていることとその原因を知っておけば十分楽しめますし、むしろそういった事情を知ることによって色々考察できて楽しいのですが、あまり感心しないという見方もあるとは思います。

日本でも知る人は知っていて、東大駒場のときにフランス語を教わった先生が集めていました。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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