パラノイア


半導体世界最大手のインテルの創業者は、先見の明に基づいた数多くの名言を残すことでも知られています。

半導体チップの集積度が、18ヶ月で2倍になることを予言したゴードン・ムーアのムーアの法則が一番有名なのではないかと思いますが、アンディ・グローブも名言を残しています。
それは、「パラノイアだけが生き残る」というものです。
パラノイアというのは、ある種の精神病で、病的なまでに将来を危惧する人のことです。
病気やナチスの迫害、そして会社の危機など、人生において幾度となく、危機に見舞われてきたアンドリュー・グローブならではの言です。

将来を必死に見通そうとする小心なまでの姿勢が、最終的には生き残るための秘訣だということなのでしょう。
ただ、本当にパラノイアだとすると、いつ何が起こるかわからないビジネス界にいることすら耐えられなくなるような気もしますが…。

インテルは、経営面では、これまで2度の危機に見舞われてきました。最初は半導体メモリーにおける日本企業の脅威、二度目は、自社製プロセッサの欠陥が発覚したときでした。どちらの場合もインテルは、大変お金がかかりかつ危険な方法を採用して、かなりの時間をかけて危機から脱しました。長期的に物事に取り組むという姿勢も大切であるということでしょう。

現在、インテルは三度目の危機にあるといってもよいと思われます。躍進目覚しい中国が、アメリカ発のパソコン関連のグローバルスタンダードにのるのをよしとせず、こともあろうに無線LANで独自規格を提唱、外国規格製品の輸入禁止を打ち出したからです。
この規格は中国でしか通用せず、しかも中国のメーカーにライセンス料を払わねばならないとあって、インテルはこれに対応するのを拒否しました。しかし、フランスメーカーなどは中国に擦り寄る動きを見せており、大市場を目前にしてインテルは、困難な状況におかれています。

多分、アメリカ政府が出てきての解決が図られるような感じですが、事業を行うにあたって、何が起こるかわからないからこそ、慎重にやらなければいけないということをよく示す事件です。

ウォルマートの創業者、サミュエル・ウォルトンもしきりに将来を案じるタイプの人だったようで、世界的大企業は大きく構えてどんぶり勘定ではいけないということを感じさせてくれます。この辺はよく学んでおこうと思います。

それにしてもフランスはことあるごとにアメリカの覇権の邪魔をするのですね。アメリカが心情的にフランスを嫌うわけはこういったことの積み重ねなのでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)