欧州委員会、インテルをAMDとの競争で違法行為として競争法違反で告発へ


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日本の公取委は2005年にインテルに私的独占で排除勧告を出しています。
これはAMDとの競争に際して、日本の大手パソコンメーカーにリベートや販促費を出していたことを問題視したものですが、この際、一般的な値引きではなく、9割はインテルのプロセッサを使用することや有力なシリーズのパソコンにインテル製プロセッサを使用することを求めるというかなり拘束の強いものでした。

これと全く同じことがヨーロッパを舞台にしておきつつあることが明らかになりました。

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欧州競争政策当局、インテルを違法行為で告発へ(日本経済新聞2007年7月28日)

サンフランシスコ(ウォール・ストリート・ジャーナル)欧州の競争政策当局は、半導体最大手の米インテル(Nasdaq:INTC)を、同業の米アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(NYSE:AMD)との競争で違法な戦略を用いたとして告発することを決めた。27日に正式発表の予定。

 この結果、複雑さの点では欧州連合(EU)の欧州委員会と米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)との対立に匹敵しそうな法的手続きにインテルを巻き込むことになるとみられる。

 焦点は、パソコンの頭脳の役割を果たすマイクロプロセッサーの市場。インテルは長年、「x86」と呼ばれるマイクロプロセッサーでシェアトップの座にいた。このマイクロプロセッサーは、マイクロソフトの基本ソフト(OS)で動作する人気ソフトを利用するために必要なもの。

 AMDは何年も前からインテルの事業慣行に異議を唱えてきた。「コンピューターメーカーが、製品に搭載するマイクロプロセッサーの90-100%をインテルから購入すれば、見返りとしてそれらのメーカーに、他社と差をつけた販売奨励金、割引、マーケティング手法の恩恵を与えている」と主張している。AMDは独自にインテルを相手取った反トラスト(独占禁止)法訴訟を起こしており、当局に介入を求めている。

 インテルは、「当社の事業慣行は公正かつ合法的」と主張している。欧州当局の行動については26日、コメントを避けた。

 ロイター通信は同日、欧州委の広報担当者の発言を引用し、欧州委がインテルの事業慣行にかかわる違法行為通知書を提出したと伝えた。また事情に詳しい筋は、欧州委の決断を確認した。

 AMDは2000年10月、欧州委に異議申し立てをしている。(欧州委が)行動を起こすのが遅くなったのは、問題の複雑さの表れだというのが大方の見方だ。また法律専門家の間では、一部の販売奨励金やマーケティング手法をどのように扱うべきかについて意見が分かれている。

 例えば、インテルは「販売奨励金は事実上割引であり、同社製半導体の価格を引き下げている。したがって、コンピューターの価格も下がり、消費者が恩恵を受けている」と主張している。一方、AMDは「インテルは販売奨励金を、AMD製半導体を購入したパソコンメーカーを懲らしめるような方法、例えば四半期ごとの販売奨励金の支払いを遅らせるなどの方法で利用している」と主張している。
(略)
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上記記事から分かるように問題とされている販売手法は、この件でもほとんど同じでして、今になったのは、法的検討に時間がかかったためということのようです。

日本では、インテルは内容には同意しないもの排除勧告を応諾してしまっているため、公取委やその後の司法でさらに法的検討をする機会が失われてしまっています。
一応、クロだろうということにはなるかと思います。

ヨーロッパでもようやく結論が出たということは、競争制限的であるという判断に達したのだと思われます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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