【ブルドック買収防衛策】スティール・パートナーズ、最高裁へ許可抗告および特別抗告


スティール・パートナーズが東京高裁でもブルドックの買収防衛策としての新株予約権発行の差止めが認められなかったことはお伝えしましたが、スティールはこれを不服として最高裁に許可抗告及び特別抗告をしました。

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ブルドック買収防衛策、11日発動・スティールは最高裁へ抗告(日本経済新聞2007年7月10日)

ブルドックソースは11日、米投資ファンドのスティール・パートナーズに対する買収防衛策を発動する。ブルドックが全株主に無償で発行した新株予約権の効力が同日発生するためだ。予約権を使った防衛策の発動は国内初となる。
(略)
一方、スティールは10日、ブルドックの買収防衛策差し止めを認めなかった9日の東京高裁の決定を不服として最高裁へ抗告を申し立てた。ブルドックの新株予約権が株主平等原則に反するとの主張を改めて訴える。高裁で「濫用(らんよう)的買収者」と認定されたことも争う考えだ。(23:18)
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スティール・パートナーズのリリース

ブルドックのリリース

許可抗告と特別抗告は抗告事由が異なります。

民事訴訟法
第336条(特別抗告)
地方裁判所及び簡易裁判所の決定及び命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日から五日の不変期間内にしなければならない。
3 第一項の抗告及びこれに関する訴訟手続には、その性質に反しない限り、第三百二十七条第一項の上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定並びに第三百三十四条第二項の規定を準用する。

第337条(許可抗告)
高等裁判所の決定及び命令(第三百三十条の抗告及び次項の申立てについての決定及び命令を除く。)に対しては、前条第一項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。ただし、その裁判が地方裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。
2 前項の高等裁判所は、同項の裁判について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、決定で、抗告を許可しなければならない。
3 前項の申立てにおいては、前条第一項に規定する事由を理由とすることはできない。
4 第二項の規定による許可があった場合には、第一項の抗告があったものとみなす。
5 最高裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原裁判を破棄することができる。
6 第三百十三条、第三百十五条及び前条第二項の規定は第二項の申立てについて、第三百十八条第三項の規定は第二項の規定による許可をする場合について、同条第四項後段及び前条第三項の規定は第二項の規定による許可があった場合について準用する。

要するに特別抗告は憲法違反、許可抗告は判例違反や法令解釈についての重要事項を理由とするものです。後者は高裁の許可のもとでする抗告になります。
分かれてはいるものの実際にはセットで申し立てるのが多いかと思います。上告と上告受理申立と同じですね。

さて、最大の問題は、これはあくまで仮処分事件ですが、ブルドックのリリースにあるとおりすでに新株予約権は発効しています。よってもはや差し止められないのではないかと思われます。

新株発行の場合だと会社法210条の募集新株発行差止めの訴えを本案としても仮処分で差し止めておかないと、発行されてしまうと訴えの利益なしになってしまいます。
差止事由と無効事由は異なっており、不公正発行の類は差止事由ではありますが、それ自体では無効事由には該当しないとされています。

この考え方は新株予約権にもそのまま妥当しますので、本件の事情では一旦発行されたらどうにもならない感じがします。

よって別の訴訟提起ならともかく、仮処分手続の続行は難しいのではないでしょうか。最高裁が職権でなにか判示することはあるかもしれませんが。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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