家電量販店の納入メーカー販売員の使役問題、ヨドバシカメラにも波及


[関連したBlog]

公取委、ヤマダ電機に優越的地位濫用のおそれで立ち入り検査(2007/05/13)でお伝えしたことと同様の行為がヨドバシカメラでも行われていたとのことで、大阪労働局の調査が入る事態になっています。

*************************************************************************************************
「ヘルパー」が棚卸し 職安法に抵触か ヨドバシカメラ(朝日新聞2007年5月23日)

大阪労働局は22日、家電量販店大手のヨドバシカメラ(本社・東京)の「マルチメディア梅田」(大阪市北区)について、雇用関係のない家電メーカー販売員を閉店後の棚卸しや店内改装に従事させた疑いがあるとして、立ち入り調査を始めた。棚卸しなどは本来、量販店従業員の業務で、職業安定法に抵触する可能性があるとみている。

 関係者によると、同店は数年前から、「ヘルパー」と呼ばれる家電メーカー販売員を棚卸しや在庫確認、商品の配置換えなどに従事させていたという。ヘルパーはメーカーが人材派遣会社と契約した派遣社員で、自社製品の販売促進のために量販店で勤務させている。労務管理の責任はメーカー側にあり、量販店が指示・命令をすることは職安法で禁じられている。

(略)
*************************************************************************************************

一方、これに先立ち以下のような報道もなされていました。

*************************************************************************************************
メーカーの従業員派遣、ヨドバシが廃止・家電量販、慣行是正 (日本経済新聞2007年5月19日)

大手家電量販店が店頭で働くメーカーからの派遣従業員「ヘルパー」の受け入れ体制を見直し始めた。ヨドバシカメラは今後2年でヘルパーを全廃し、正社員に切り替える。他社でも費用の一部負担などの検討が始まった。メーカーへのヘルパー派遣強要の疑いで、公正取引委員会が最大手のヤマダ電機を立ち入り検査したことを受け、ヨドバシはメーカーとの不透明な商慣習を見直す。
(略)
*************************************************************************************************

このような派遣は業界としての慣行だったとされています。
すると、この行為によってヤマダ電機が家電量販店市場での競争を優位にしたかは分からないことになります。
市場での地位をもとにしてヤマダだけ特に派遣を多く受けたいたりしたら話は別ですが。

こうみると公取委が、競争の制限が問題とはならない優越的地位濫用という法的構成を採用したのは、極めて理由のあることだったことが明らかになりました。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)