アメリカで経営者報酬を株主総会承認事項にするよう求める株主提案が急増


アメリカで経営者への巨額報酬への反発から、経営者報酬を株主総会承認事項にするように求める株主提案が急増しています。
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「経営者報酬を承認事項に」米で株主提案急増(日本経済新聞2007年5月14日)
【ニューヨーク=松浦肇】米企業で株主が経営者の報酬を監視する動きが活発化してきた。今年の株主総会で経営者報酬を株主承認事項にするよう求める提案が出る企業は、昨年の7社から40社超に急増する見通し。レンタルビデオ大手のブロックバスターでは株主提案が57%の賛成を獲得、米主要企業で初めて過半数の支持を得た。米下院で経営者報酬を株主承認事項に義務付ける法案が可決されるなど、巨額報酬への風当たりは強まる一方だ。
(略)
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この投票は株主の世論調査のようなもので法的拘束力はないのですが、それだけ反発が強いということを明らかにすることで会社側へ圧力をかけるという意義があります。
日本法では、旧商法時代は利益処分案、会社法では役員等の報酬の議案(361条)として株主総会承認事項となっており、日本の方が進んでいるように思われます。
しかし、361条は大枠を定めるだけですし、定款で定めればそちらになりますので、株主総会では決議の対象とはなりません。
もっとも確定金額を定款で定めることはしないのが一般ですので、総会決議による決定の出番はありますが、総額を定めるだけで、各取締役への分配額は取締役会で決めることになります。これは従来どおりです。
また従業員取締役の場合の従業員としての報酬部分は361条の適用を受けないとされているので取締役報酬の全容に株主総会が関与できるわけではありません。
制度設計としては非常に微妙なところですが、格差が叫ばれ、株主の目も厳しくなる昨今では日本でも経営者報酬に同様の目が向けられつつあるといってよいでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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