スティール・パートナーズ、サッポロホールディングスの買収防衛策に反対で委任状勧誘


すでにお伝えしているとおり、アメリカの投資ファンド、スティール・パートナーズが日本の大手ビールメーカー、サッポロホールディングスに買収を提案していますが、サッポロホールディングスは3月29日の定時株主総会で現行の買収防衛策を一旦廃止して、新たな買収防衛策の導入を提案するとしています。
これに対して、スティール・パートナーズは買収防衛策反対を表明して、委任状勧誘を開始しました。

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米スティール、サッポロHDの買収防衛策に反対呼びかけ(日本経済新聞2007年3月13日)

サッポロホールディングスに買収提案している米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドは12日、サッポロHDが導入を目指す買収防衛策への反対を呼びかける株主への委任状勧誘を開始すると発表した。今週中に全株主に手紙を送付、29日のサッポロHDの株主総会に向けて過半数の反対票獲得を目指す。
(略)
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反対に関するスティール・パートナーズのリリースはこちら
それに反論したサッポロホールディングスのリリースはこちら

サッポロホールディングスが今回導入しようとしている買収防衛策は、これまでのものと同じくいわゆる事前警告型の買収防衛策です。サッポロホールディングスのプレスリリースはこちら

内容としては現行のものとそれほど違うわけではないのですが、これまでのものは取締役会の決議だけで導入していたものを株主総会の決議を取ろうとしている点が大きな違いです。
買収防衛策が発動された場合に争いとなった場合、適法の側に作用させる要素というわけです。
買収防衛策の導入は各会社で進んできていますが、取締役会だけでやっているところと総会の決議を取っているところに二極分化しています。
買収防衛策について法定の要件があるわけでない現行では、念を入れているというに過ぎませんが、資本多数決の原則が最高の権威を持つ世界ですので、当然の判断でもあると思われます。

ちなみに議決権行使アドバイザー、グラス・ルイスとISSからは、スティールと同じく反対すべきであるという意見が表明されています。
買収防衛策の導入・存続などについては、株主総会にかからせますが、具体的な発動については株主総会が独立委員会の選任も含めて関与するところはなく、新株予約権発行などの最終的な対抗措置は取締役会が決定するところが問題としています。

いちいち臨時株主総会を開いて株主の意向を聞くのも機動性を欠くとは思いますが、資本多数決が会社の最高意思決定であるはずなのでその点から批判するならそのとおりとしか言いようがありません。

3月末に向けてサッポロホールディングスにとっては非常に難しい局面になってきました。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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