NHKと民放5社、「まねきTV」の停止を求めて本訴提起へ


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ソニーのロケーションフリーテレビというなかなか面白い製品のハウジングサービスをしている「まねきTV」というサービスをめぐり、テレビ局各社と提供している永野商店が著作権紛争を起こしており、仮処分を求める事態になっており、東京地裁は「まねきTV」を合法と判断したことを以前お伝えしました。

東京地裁、テレビのネット転送を可能にするロケーションフリーテレビのハウジングサービスを適法と判断(2006/08/06)

「まねきTV」の詳しい仕組み等事件の詳細については上記のエントリーをご覧ください。

東京地裁で敗訴後もテレビ局各社は知財高裁に対して抗告しましたが、12月22日に敗訴しました。
理由は東京地裁の時とほぼ同じであり、仕組み上契約した人しか視聴できない1対1のサービスである以上、不特定多数に対するものである送信可能化権侵害には当たらないというものでした。

知的財産高等裁判所平成18年12月22日決定 平成18(ラ)10013著作隣接権仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件
※この事件は抗告人が日本テレビのものです。
同日に抗告人の違いで後5件同様の決定が出ています。

これに対して各社は、最高裁へ許可抗告しましたが、これも平成19年1月31日に敗訴に終わりました。

仮処分では認められなかったわけですが、これを受けてNHKと民放5社は、本訴を提起する方向で検討に入りました。
3月にも提訴するとされています。

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NHK・民放5社、ネットのTV番組転送停止求め提訴へ(日本経済新聞2007年2月17日)

フジテレビジョンなど民放キー局5社とNHKは、「まねきTV」の名称でインターネットによるテレビ番組の転送事業を手がける永野商店(東京・文京、永野周平社長)を相手取り、サービス停止を求める民事訴訟を3月にも東京地裁に起こす方針を固めた。「ソフトただ乗りを見過ごさない」(民放幹部)姿勢を明確にする狙い。最高裁への仮処分の申請が認められなかったため、本訴に移行する。
(略)
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私自身はこの「まねきTV」は法的にかなり微妙なのではないかと思いましたが、裁判所はこの技術では不特定多数が受信できるようなものではないため送信可能化権侵害に当たらないという理解がされています。
アンテナと場所を貸すだけで他の人にまで見せるわけではないというところが決め手になっています。
逆に言うと、全く持って手厚くないサービスであるためよしとなっている節があります。
この点について、西村ときわの山口勝之弁護士が2月26日号の日経パソコンにお書きになっておられますので興味のある方はご覧ください。

本訴は仮処分事件とは別物ですが、すでにサービスの合法性についてかなり判断をしてしまっているため結論がひっくり返るのは難しい感じを受けます。
営業エリアを分けてすみ分けを図っているテレビ局各社にとっては難しい状況だと思いますが、法的には排除できなそうです。

3月1日一部訂正しました。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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