公取委事務総長、ビール業界は寡占度が高いという認識を表明


スティール・パートナーズによるサッポロホールディングスの買収提案に続いて、アサヒビールがホワイトナイトになるのではないかという報道がありますが、この点で考慮せねばならない点として、独禁法上認められるかどうかという問題があります。

この点について、21日に公取委の伊東事務総長が、一般論として、ビール業界は寡占度が高いという認識を示しました。

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公取委事務総長「ビール業界、寡占度高い」(日本経済新聞2007年2月22日)

公正取引委員会の伊東章二事務総長は21日の記者会見で、サッポロホールディングス(HD)とアサヒビールの資本提携の可能性が浮上するなど再編の動きが出ているビール業界について、一般的見解として「上位2社で7割程度のシェアがあり、寡占の程度が高い業界と思っている」と述べた。サッポロHD側から公取委へ合併に関する相談があったかどうかについては「コメントできない」としている。
(略)
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2006年の課税ベースでいくと、国内ビール各社のシェアは
サッポロ 37.8%
キリン 37.6%
サッポロ 12.9%
サントリー 10.8%
オリオンビール 0.9%
となっています。

ここから寡占度を算出すると 3126.46になります。
アサヒとサッポロが統合して50.7%のシェアになったとすると、寡占度は4101.7となります。
差をとると寡占度の増分は975.24となります。

さて、現在意見募集中の企業結合ガイドラインでは、認められる結合の条件のうち寡占度について
①寡占度1500以下のとき
②寡占度1500~2500以下のときは寡占度の増分が250以下のとき
③寡占度2500~のときは寡占度の増分が150以下のとき
としています。

あくまで目安でこれ以外の条件の考慮もあるので一概には言えませんが、ここからいくと現在のビール業界での結合はそのままでは認められそうもないということになります。
一部事業の売却などの条件付で認めることがあるので全くもって無理ではないと思いますが、そうすると企業結合を狙う側にとってはメリットが薄れることにもなりえます。
ホワイトナイトの登場には越えなければいけない壁があるようです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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