経済産業省、ネット販売の詐欺防止のため特定商取引法改正へ


インターネットを利用した通信販売やネットオークションは、拡大の一途をたどっていますが、参入や利用が簡単であるため、悪質な勢力が入り込むのも多く、詐欺事件も増加しています。

詐欺事件発生の要因は、ネット販売では通信販売に比べて、代金先払いが圧倒的に多いためですが、この点を懸念した経済産業省は、従来から通信販売や訪問販売などを規制してきた特定商取引法を改正してネットを利用した詐欺事件への対応を図ることになりました。

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ネット売買決済、代金先払い以外も義務付け・経産省検討(日本経済新聞2007年2月10日)

経済産業省はネット上で商品を売る企業に、「代金先払い」以外の決済方法も顧客が選べるように、複数の決済方法の用意を義務づける検討に入った。代金先払いの仕組みを悪用し、実際には商品を送らない詐欺的な業者を排除するのが狙いだ。ネットオークションなども対象とする。
(略)
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改正の内容は、支払方法に代金引換などの先払い以外の方法も選択できるように義務付けることや消費者契約法で導入される団体訴訟を特定商取引法にも取り入れて消費者団体などが代理で訴訟を起こせるようにすることとされています。

ネットによる通信販売とネットオークションの両方を対象とするとされており、業者がネットオークションを利用しているような経済実態から見れば両方を規制するのは当たり前ですが、法的にはネット上にウェブサイトを開いてオンラインショッピングサイトを作るのとネットオークションを利用するのではえらい違います。

特定商取引法は、商取引のカテゴリごとに節を設けており、規制する商取引の形態は限定列挙になっています。
このうち、第3節に通信販売というのがあります。
この「通信販売」の定義は、2条2項にあり、ここから委任された経済産業省令で、電子商取引は通信販売に当たります。
しかし、ネットオークションは、他人間の契約の媒介をするに過ぎないので、仲立ということになりますから、特定商取引法の通信販売には該当しません。
よって立法作業としては、新しく節を設けなくてはいけなくなるでしょう。

また既存の特定商取引法の内容では、代金支払方法についての規制についてはなにもないので、この類の規定をつくることになります。

本紙面の記事では規制対象の品目を、限定列挙から規制されない品目だけ列挙して後はすべて規制するネガティブリスト化することも検討するとあります。
この点については産業界からは反対の声が絶対上がるでしょうね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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