バランスという教条


マスコミというのは煽ってなんぼというところがありますから、わかっていることでもわざとミスリーディングに書いて、刺激的な内容にしようとしますよね。

何が言いたいのかというと、これです。
しばらくすると見れなくなりますから、見出しは引用しておきます。
「首相の靖国参拝違憲判決が確定へ、原告側が控訴せず 」という記事です。

この事件ですが、原告自体は慰謝料の支払いを認められず敗訴しています。その判決の理由中で、判決の結論から考えればいわなくてもいいのに、「わざわざ参拝は違憲だ」といったのです。
判決理由とは、主文で述べるところである結論を導くに足ることさえ言えばよく、既判力も何も生じません。
よって、判決が確定してしまっても、靖国参拝が法的に違憲だということにもなりません。
したがって違憲だと言ったのはほとんど裁判官の自己満足に近く、マスコミに格好のネタを提供しただけで、何の意味もなく終わってしまいました。

裁判官の心情としては、多分、請求は棄却するものの理由中で違憲ということで、原告の意をある程度汲んでバランスを取ったつもりなんだと思います。
最近、日本は、これまで触れないできたものを次々破壊するようになり、右傾化や極端に走る傾向が目立ちます。
良識とバランスを第一の美徳としている人々にはなかなか眉をひそめる時代であるために、職務意識に忠実であろうとして、やったのだと思います。
その気持ち自体は、理解できるのですが、やはりこの時代には、そのような態度ではダメだなあと思います。
閉塞感のある時代を抜けるためには、平穏とか秩序とかにやたらと価値を置くわけにはいかないのではないかなと思うのです。

決して靖国参拝を礼賛しているのではありません。
秩序を重んじバランスを取るという日本では無上の価値観が、こういう過渡期では改革するための行動を起こす際に色々とネックになるのではないかなと感じるというだけのことです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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