知財本部戦略案でネット検索事業者の著作物利用で許諾不要化を検討


グーグルの検索で顕著ですが、検索事業者はネット上にある著作物を一度自らのサーバーにコピーしています。文書はもとより画像もコピーしており、サムネイルで一覧表示されていますが、これは送信可能化権の侵害に当たるので、著作権法上は違法になります。
また編集してしまうとこれまた侵害ですが、検索用のデータとして保存するに際して加工を施すのは当たり前なので、現実と法制度の乖離は非常に著しいのが実際です。
それでも検索サービスが問題とされないのは、各社が日本の主権の及ばないところにサーバーを設置しているためなのですが、それでも法人自体は国内にあるので、完全に白かどうかは不透明というのが実際です。
そこで政府は、ネット検索用の著作物利用に限って、著作権侵害にならないようにする法改正を打ち出しました。
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ネット検索に文書や画像、著作権許諾不要に・知財本部戦略案(日本経済新聞2007年1月23日)
政府の知的財産戦略本部は22日のコンテンツ専門調査会の作業部会で、日本製のアニメーションや映画などのコンテンツ産業の振興に向けた中期戦略案を大筋了承した。米グーグルのようなネット検索サービスを国内事業者が展開できるようにするため、著作権者の許諾がなくても文書や画像データを複製可能にする著作権法の改正などを打ち出した。
(略)
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アメリカでは、公正な利用は可となっており、ネット検索用の複写等はそれに当たるとされておるのですが、日本の著作権法では利用できるのは30条以下に極めて限定的かつかなり特殊状況下に限られているので、違法になると見てまず間違いないでしょう。
改正するなら、30条以下の列挙にネット検索用の利用を1条加えるだけだと思いますが、どうせなら「公正な利用」の包括的な1条を入れてくれれば良いのにとも思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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