暗転


今月の「私の履歴書」を読んでいて、「自分は社長にはなれないと思っていた。2年後あの事件が起こるまでは…」の下りを読んではっとしたのですが、味の素の転機となり、江頭社長誕生の原動力となったのはやはり例の総会屋事件でした。

味の素の総会屋事件では、総会担当だった社員の逮捕者が出ていますが、これは東大法学部卒の方で私が東大で教わった柏木教授(現中央大学教授)の知人です。
就職先を探すにあたって会社をABC順に回ろうとしてまず味の素に行ったところ、捕まってしまい入社したという逸話を聞きましたが、会社人としてあのような最後を迎えてしまい、非常に気の毒でした。
柏木教授も三菱商事出身ということで会社に働く者としての悲哀を痛切に感じたようです。
私の履歴書ではあまり触れられていませんが、味の素は総会屋事件でトカゲの尻尾切りをしたので、その点も非常に気の毒でした。

この方の手記が確か文芸春秋に載ったと記憶しています。
出版関係者が書いてもらおうと思ったことからしても、この事件で捕まったのは別に悪人ではなく、事件の背後には別の事情があったことが伺えるのではないかと思います。

味の素は、経営的には良好かもしれませんが、そもそもの事業が人間の味覚をどうかさせるものを作っているのであまり感心しないのですが、会社内部もよろしくなかったことを私の履歴書を通じて知りました。
それから脱却するまでの戦いはさぞ壮絶だろうと思います。総会屋との絶縁より大変なのではないでしょうか。

私も会社人の端くれですので、100点満点の会社などないのはよくわかります。目の上のたんこぶみたいなものはどの会社にもあることですが、それらをどうきるかというのは、非常に重要だと思います。大騒ぎになってから始末をつけるのも非常に大変なことですし、それをちゃんとできるだけでもたいしたものですが、そうならないうちに始末をつけておくということも大切ではないかと思います。
ひとまずこのままでいいかという感じで馴れ合うと、感覚が麻痺しますから…。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)