耐震強度偽装事件で破産手続が進行中のヒューザーですが、保有資産の処分は順調に進んでおり、11月中に中間配当が行われることになりました。
配当するには破産債権の確定が必要ですが、ヒューザーの破産管財人の、瀬戸英雄弁護士は、届出のあった557億円のうち191億円を破産債権として認めるとしており、自治体が届け出ている一時転居している住民への補助金19億円は、認めないことを明らかにしました。
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ヒューザー破産管財人「11月末までに中間配当実施」(日本経済新聞2006年8月31日)
耐震強度偽装事件で、マンション販売会社ヒューザー(東京)の破産管財人、瀬戸英雄弁護士が31日、東京都内で記者会見し、ヒューザーへの債権届け出のあった総額約557億円のうち約191億円を債権額として認めると発表した。最終的に債権額を確定した上で、11月末までに中間配当を実施する考えを明らかにした。
(略)
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ヒューザー資産「52億円」・管財人(日本経済新聞2006年9月13日)
耐震強度偽装事件で、マンション販売会社、ヒューザー(東京)の破産管財人、瀬戸英雄弁護士は13日、都内で記者会見し、保有資産は約52億円に上るとの見通しを明らかにした。処分はほぼ終了しており、11月中に債権総額の15%以上の中間配当を実施する方針。最終的な配当は20%を超えるとみられる。
マンション住民の一時転居先への移転費や家賃などに補助金制度を設けた自治体が届けた約19億円の債権については、「大半の支出がこれからの段階で債権として認められない」などとして否認した。
(略)
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将来の債権も破産債権とできますが、条件成就までは配当せず、寄託しておく対応をとることになります。よって支出がこれからだからといって認めないということには必ずしもならないのですが、手続開始前の原因による債権かというと、政策的支援であることもありちょっと因果関係として離れているかという感じもします。
認めないという結論になりましたが、自治体は配当されない場合は補助金減額を打ち出しており、結局何らかのしわ寄せは生じる方向です。
しかし公金で個人財産の補填のようなことは本来できませんので、実際には満たされなくとも実体権としてはどこかに求償するという姿勢は仕方がないでしょう。