上限金利引下げをめぐる混乱


特例措置で落ち着くかと思われたサラ金の上限金利問題ですが、後藤田正純衆議院議員の行動によって一気に流動的になってきました。
淡々と決着を狙っていた側にとっては計算外の事態でしょう。
こういうのは畳み掛けるように事態を展開して既成事実化しないとだめですからね。

ただ、今回のグレーゾーン金利廃止は、結局のところ正しいのかというのは判断が難しいです。
グレーゾーン金利廃止だけだと、利息制限法の上限金利を上げても達成できるので、今回の主眼は金利引下げにあるとみましょう。すると、金利が高すぎて多重債務者が出て社会問題化しているので下げることになります。

すると、苦しんでいる人が救われるかというと、安く借りられるわけではなく闇金の暗躍の被害に直面して結局は変わらないケースもあるでしょう。
金利引下げの恩恵を受ける人が大半でしょうが、昔に戻って闇金の横行を再発することは避けられません。

出資取締法は、毒を持って毒を制すというような立法でして、民事違法な金利を認める代わりに貸金業者を行政の把握の下に置こうとしたものです。規制の厳しいところほど違法業者が跋扈するという摂理をとんでもない措置で乗り切ろうとしたわけです。
貸金業者の登録はかなり進みましたので、意味は相当程度あったといえるのですが、それでも登録している業者が出資取締法を超える高金利を課したり、強引に取り立てたので規律していないも同じだったともいえます。

民法の教科書的には闇金がでるだろうからやむをえないと書いてあり、そう受け止めてきたのですが、いざこのように廃止機運が高まるとどうなのか判断は難しいです。
最初に利息制限法と出資取締法の話を聞いたときは、「こういうのが実をあげるための行政の知恵か」と感心したのですが、実態がかけ離れていることを知ってからは、評価できなくなりました。
今後どうなるのかを含めてよくわからないです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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